ショッピングモールの入り口横ベンチで、まるで温泉に入ったかのような表情をした柴犬を見かけた。目が細くなっていて、キツネのようにも、見えた。そんな毛色だった。とてもかわいらしい犬だったから、じぃっと見てしまった。うしろの飼い主らしきおじいさんが居て、犬の首をこりこりかいていた。犬は、撫でられるままになっていた。
それが先週のことで、今日もまた同じ光景を見てしまった。
まったくおなじところで、おなじおじいさんと同じ犬がおなじポーズで、居た。
デジャヴかと思ったよ。
デジャヴじゃなくて、夢でもなくて、何か縁があるのかもしれない。
特に話しかけるわけでもないけどね、とうぜん。
「そで振り合うも他生の縁」というから、そうだろうなと思う。
しかし、振り合っただけならすれ違っていくのが当たり前で。
ふとそんなことを思ったのだった。
牛乳を買い忘れたから、今日は牛乳なしのハンバーグ。